― 令和8年度診療報酬改定を乗り切る実務ポイント ―
人員も時間も限られる小規模診療所にとって、診療報酬改定への対応は大きな負担です。
しかし令和8年度改定では、医療DXや加算要件の見直しにより、“対応できているかどうか”で収益差が生まれやすくなると考えられます。
すべてを完璧に対応するのは難しいからこそ、重要なのは:
「どこに力を入れるか」という戦略
本コラムでは、小規模診療所が無理なく実践できる改定対応の考え方と、優先すべきポイントを整理します。
1.小規模診療所が直面する課題
小規模診療所では、
- スタッフが少ない
- 兼務が多い
- 教育に時間が取れない
といった状況が一般的です。
そのため:
制度は理解していても運用が回らない
という課題が起こりやすくなります。
2.R8改定で求められる変化
今回の改定では、
- 医療DX(オンライン資格確認など)
- 加算要件の運用強化
- 情報活用の評価
が進むと考えられます。
つまり:
「形だけ整える」ではなく「実際に回せるかどうか」が問われる
ということです。
3.戦略①:全部やらない“選択と集中”
すべての加算・制度に対応するのは現実的ではありません。
重要なのは:
自院に合うものに絞ること
例えば:
- 外来中心 → 外来系加算を優先
- 在宅なし → 無理に在宅対応しない
“やらないことを決める”のも戦略です。
4.戦略②:受付業務を最適化する
小規模診療所では、受付の影響が非常に大きくなります。
- マイナ保険証の案内
- 資格確認の精度
- 選定療養の説明
これらはすべて:
受付で完結する重要業務
ここを整えるだけで、
- 算定率向上
- トラブル減少
につながります。
5.戦略③:取りやすい加算を確実に取る
ポイントは:
難しい加算より確実な加算
例:
- 要件がシンプル
- 日常業務で対応可能
- 追加負担が少ない
逆に:
運用が複雑で続かないものは避ける
“取り切ること”が収益改善につながります。
6.戦略④:シンプルな運用に落とし込む
ルールが複雑なままだと、現場は回りません。
- フローを1枚にまとめる
- 判断基準を明確にする
- 誰でもできる形にする
考えなくても動ける状態が理想です。
7.明日からできるアクション
- 取り組む加算を3つに絞る
- 受付フローを見直す
- 算定漏れがないかチェックする
- 院内で情報共有の時間を作る
小さな改善でも、積み重ねが大きな差になります。
8.まとめ
小規模診療所にとって重要なのは:
“完璧な対応”ではなく“回る仕組み”
令和8年度改定では、
運用できるかどうかが結果に直結
します。
だからこそ:
- 選択と集中
- 受付の強化
- シンプルな運用
この3つを軸にすることで、無理なく対応することが可能です。
改定は負担でもありますが、
うまく対応すれば差がつくチャンスでもあります。
自院に合った戦略を選び、着実に進めていくことが成功の鍵となります。



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