就職・転職活動をする際、履歴書の作成に苦労された方も多いのではないでしょうか。
本記事では、履歴書の書き方のコツをお伝えします。特に、志望動機や自己PRについてはポイントを一つひとつお伝えしていきますので、一緒に考えていきましょう。
一般的な履歴書について
一般的な履歴書は、本人写真、氏名、連絡先、学歴・職歴、免許・資格、志望動機・自己PR、本人希望欄で構成されています。履歴書によっては、学歴・職歴欄を広く取っていたり、志望動機・自己PR欄を別々に設けていたり、ということがありますので、ご自身に合った物を選んでください。
こちらでは厚生労働省の様式例を載せておきます。
日付:郵送なら投函日、面接時に持参なら面接日を記入します。和暦・西暦どちらでも構いませんが、履歴書全体で合わせるようにしましょう。
ふりがな(フリガナ):「ふりがな」であればひらがな、「フリガナ」であればカタカナで書きましょう。
住所:都道府県から記入します。
学歴・職歴:それぞれ「学歴」「職歴」の見出しを中央に記入してから、学歴・職歴を続けましょう。
学歴は、最終学歴が高等学校卒業であれば高等学校入学から、専門学校・大学卒業、大学院修了であれば高等学校卒業から記入します。
職歴は基本的にはそれまでの職歴を全て記入します。現在まで働いている場合は「現在に至る」、退職が決まっていれば退職予定日も書きましょう。
免許・資格:正式名称で、取得年月順に記入します。
本人希望欄:特になければ「貴社(貴院、貴施設等)の規定に従います」と記入します。
複数の職種で募集がある企業であれば希望する職種を、勤務地や勤務時間についてあらかじめ伝えておきたいことがあれば、要望と理由を簡潔に書くようにしましょう。
字に自信がなくとも、丁寧に、誤字脱字無く、記入することが重要です。PC作成の場合でも誤字脱字の無いよう、しっかり確認しましょう。
志望動機は「あなた」と「相手」の視点から

1.企業研究をしっかり行う
事業内容、理念、社風や将来性などを把握し、「その企業ならでは」のポイントを見つけます。企業それぞれの特色に合わせて、下記3つの内容を考えていきましょう。
2.自分の経験、強みを整理する
今までどのような姿勢で仕事に取り組んできたか、経験や実績を含めて伝えます。「なぜこの職種を希望するのか」ということも明確に伝えましょう。
3.共感した点、魅力を感じた点を伝える
その企業のどのような点に共感したか、どこに魅力を感じたか、「他の企業ではなくその企業である理由」を伝えます。
4.自分に何ができるか、を述べる
この人なら頑張ってくれる、一緒に働きたい、と相手に思ってもらうことが大切です。「このように活躍したい」と具体的な目標を述べることができると◎です。
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医療事務
これまで内科クリニックにて約3年間、受付対応、保険証確認、レセプト業務など幅広い医事業務に携わってまいりました。患者様一人ひとりに寄り添った丁寧な対応を心がけ、医師や看護師との連携の中で、業務の正確性・効率性にも注力してきました。
今回、貴院の「患者様第一」に共感し、これまで培ってきた経験を活かしながら、さらにスキルアップできる環境で働きたいと考え、志望いたしました。事務業務においても、単なる処理ではなく、医療現場の一員として主体的に貢献していきたいと考えております。
看護師
私はこれまで〇〇病院で看護業務を経験してきましたが、その中で患者様一人ひとりとじっくり関わり、地域医療に携わりたいという思いが強くなりました。
内科では高血圧や糖尿病などの慢性疾患を抱える患者様が多く、日々の生活習慣や服薬管理の支援が重要であると実感しています。
貴院では、患者様一人ひとりに寄り添った丁寧な診療を行っておられます。私もその一員として、安心と信頼を提供できる看護を実践したいと考え、志望いたしました。
介護士
私はこれまで、身体介助・生活支援・レクリエーション企画など幅広い業務を経験してきました。その中で、利用者様それぞれの「その人らしい生活」を支えることにやりがいを感じ、介護の仕事に対する思いが一層強くなりました。
特に、日々の小さな変化に気づき、安心して過ごしていただけるような関わりを大切にしてきました。認知症ケアやご家族との連携など、コミュニケーションを重視した支援には自信があります。
貴施設ではチームの連携を大切にされているということで、これまでの経験を活かしつつ、利用者様に寄り添ったサービスを実践していきたいと思っております。
「あなたがその企業を選んだ理由」と「その企業があなたを選ぶべき理由」の2方向から考えて、伝えましょう。文章は主語と述語を明確に、ですます調での記入が一般的です。
自己PR=強み+エピソード

1.結論から書く(強みを明確に伝える)
まずは最初の一文で「私の強みは○○○です。」と結論付けましょう。
自己PRに何を書けばよいか分からない方は、得意なこと、今までの仕事で褒められたこと等を箇条書きで書き出して、そこから1つ、2つに絞り込んでみてください。
2.具体的なエピソードで裏付ける
強みだけを伝えても説得力に欠けます。どのような場面で強みを発揮したか、数字や結果、周りからの評価を交えて、具体的に伝えましょう。
3.今後どのように活かすか、で結ぶ
入職後、その強みを活かしてどのように貢献していきたいか、で締めくくります。応募先に合わせてアレンジしましょう。
例文 ※クリックで開く
コミュニケーション力
私の強みは「コミュニケーション力」です。前職では医療事務として受付・会計業務を担当し、毎日多くの患者様と接する中で、状況に応じた丁寧かつ柔軟な対応を心がけてきました。
特にご高齢の方や不安を抱えた患者様には、表情や声のトーンにも気を配りながら接することで、信頼関係を築くことができました。「あなたの対応は安心できる」とお言葉をいただけたこともあり、大きなやりがいを感じました。
また、医師や看護師、他部署スタッフとの連携も円滑に行うことで、診療がスムーズに進むようサポートしてきました。今後もこのコミュニケーション力を活かし、患者様にとって安心できる医療環境づくりに貢献していきたいと考えています。
粘り強さ
私は、どんな状況でも諦めずに最善を尽くす「粘り強さ」を強みとしています。前職のクリニックでは、患者様との信頼関係を築くことに特に力を入れており、なかなか治療に前向きになれない患者様にも、丁寧に関わり続けることで少しずつ心を開いていただけるようになりました。
例えば、慢性的な疾患で定期的に通院される患者様に対しては、毎回の問診で小さな変化も見逃さず、粘り強くコミュニケーションを取ることで、継続的な治療と生活改善へのモチベーションを引き出すことができました。
こうした経験から、困難な状況でも粘り強く向き合う姿勢が、患者様の安心や信頼につながることを実感しました。今後もこの姿勢を大切にし、より質の高い看護を提供していきたいと考えています。
自分自身の強みを述べるだけでなく、その強みをどのように活かして成果を出したか、今後その企業でどのように活かしていくか、を具体的に伝えます。ポジティブな表現を心がけましょう。
最後に
履歴書は、あなたという人物を最初に知ってもらうための「自己紹介状」です。
限られたスペースの中で、読み手の心にどれだけ届けられるかが重要になります。大げさな表現や完璧さを求める必要はありませんので、あなたらしさを誠実に伝えましょう。